【第9回】見えない毒の連鎖 ― 妊婦さんとツシマヤマネコの涙 PFAS会話 アスファルト君 水彩絵の具さん、そんなに泣かないで。 女の子なんだから、笑っているほうが素敵だよ! 水彩絵の具さん ……ありがとう、アスファルト君。 でも、私の体から溶け出すBPA(ビスフェノールA)が「早死に」の原因になるかもしれないなんて聞いたら、悲しくて……。 これって、人間だけの問題なの? みず博士 いいや、影響は全ての生態系に及ぶんじゃ。 例えば、絶滅が危惧されているツシマヤマネコのような、食物連鎖の頂点に立つ生き物たちへの影響も心配されておる(※1)。 川が汚れ、魚が汚れ、それを食べる動物たちに毒が濃縮されていく……これを 「生物濃縮」と呼ぶ。 私たち人間も、その連鎖の頂点にいる「上位生態系」であることを忘れてはならんぞ。 水彩絵の具さん 上位生態系……。 じゃあ、私たちが食べるお野菜はどうなの? 前にトマトの話が出ていたけど……。 みず博士 そうじゃ。 汚染された川の水が農業に使われると、マイクロプラスチックやPFASが野菜に取り込まれる。 特に心配なのは妊婦さんや胎児への影響じゃ。 BPAは乳幼児や妊婦に対して特に注意が必要とされており、神経異常や早熟を引き起こすリスクが指摘されているんじゃよ。 さらに、アスファルトに含まれる多環芳香族炭化水素(PAH)はDNAを傷つけ、発がんの原因になることも知られておる。 水彩絵の具さん DNAまで傷つけるなんて……。 これから生まれてくる赤ちゃんや、一生懸命生きている動物たちに、私たちはなんてひどいことを……。 博士、この「負の遺産」を止める方法は、本当にあるの? みず博士 あるとも。 まずはこの事実を隠さず、みんなで知ること。 そして、汚れた水を「ただのゴミ」として捨てるのではなく、正しく浄化する責任を果たすことじゃ。 ツシマヤマネコに関する記述は、提供されたソースには含まれていない一般的な環境情報に基づいています。 ※本連載の内容は、一般社団法人 日本環境創生協会の調査・研究に基づく独自の見解です。 連載 第10回へ >